昨日から朝ドラ「なつぞら」が始まりましたね。主人公のなつがアニメーターを目指す物語ですが、このドラマには山田天陽という一人の画家が登場します。
なつに絵を教える重要な役どころなのですが、この天陽にはモデルがいることをご存じでしょうか。十勝で農民画家として生きた神田日勝(かんだ・にっしょう)です。山田天陽と神田日勝、名前もちょっと似せているようですね。
みなさんは神田日勝の絵をご覧になったことはあるでしょうか。とても心に残るものがあります。私はこういう稼業をしているので、日本や世界の絵をいろいろ見てきていますが、「すごいな!」と感嘆したり、価値観を覆されたり、新しいものの見方に気づかされたりといったことはよくあるのですが、感動して「泣く」とまでなることはあまりありません。
そんな私が泣いた数少ない絵の一つが日勝の作品です。見ているうちに、ふいに日勝の気持ちが伝わってきたように感じられる瞬間が訪れ、それからは自分でもどうしようもなく涙があふれてとまらなくなりました。そうした経験はいまのところ後にも先にもほかにありません。ですから、私がもっとも感動した絵といってもよいように思います。
十勝の鹿追町には神田日勝記念美術館があります。
多くの人にはちょっと遠いですが、季節がよくなるこれから、北海道旅行がてら神田日勝記念美術館を訪ねてはいかがでしょうか。おすすめしたい美術館の一つです。(F)
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