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ウェブセミナー② 「気がつくこと」を手がかりに

前回、↓のウィンスロー・ホーマーの《むち打ち》という絵を見てもらい、「気がつくこと」をできるだけ多く挙げてくださいという課題をお出ししました。いかがでしたか? たくさん挙げることができましたか? あなたはどんなことに気づきましたか?



ウィンスロー・ホーマー 《むち打ち》 1872 メトロポリタン美術館



改めてご覧いただいてどうでしょうか? 何でも構いません、どんな「気がつくこと」があるでしょうか(前回やらなかった人は、もう一度トライしてみてください)。



さて、この絵には「気がつくこと」の “ネタ” がいろいろ描かれています。たとえば「走っている子どもたちが描かれているが、その多くは裸足だ」ということがありますね。元気に走っている子どもたちですが、その足元はと見れば靴を履いていない子が大半です。


これをもう少し細かくいうこともできます。「8人の子どもが描かれているが、そのうちの6人は裸足だ」と具体的な人数を付け加えられます。


足元だけではなく子どもたちの服装に注意を向けると、「上着を着ている子と、着ていない子が半々」ということに気がつきます。上着を着ている子は4人、着ていない子も4人です。


ほかはどうでしょうか? 「左端で転んでいる子が一人いる」というのもいいですね。みんな手をつないで走っているなかで、左端の子だけは転んでいます。いったい、どうしたのでしょうか。


左があれば右はどうでしょうか。「右の二人はほかのみんなを引っ張っている」ことに気がつきましたか? 手をつないで一斉に走っているようですが、逆に引っ張っている子もいるのです。


まだまだありそうです。ここでちょっとまた絵をよく見て、何かを見つけてみてください。



どうでしたか、新たな何かに気づきましたか? 


では続きです。こんどは子どもたちが走っている場所にも眼を向けてみましょう。手前を見ると「花が咲いている」ことがわかります。黄色やオレンジの小さな花が画面最前景で咲いています。あるいは、改めて「子どもたちが走っている場所は草原」ということを確認しておくのもいいですね。


「花が咲いている」ことに気がついたら、さっき見た「上着を着ている子と、着ていない子が半々」と結びつけてみましょう。二つの事柄を結びつけると、何かわかってくることがないでしょうか。


上着を着ていない子が半分いるということは、この場面はさほど寒くはないということがうかがわれます。また「花が咲いている」のですから、寒くないのは、たまたまこの日だけということではなく、トレンドとして寒くなくなってきている、寒い季節が過ぎ去りつつある、ということが推察できそうです。つまり、この絵が描かれているのは「春」らしいということです。


季節が春らしいと気づくことができたら、絵から春特有の心地よい、爽やかな季節感も感じられるようになりませんか? 最初とはちょっと違った感じ方が生じてくるのではないでしょうか。


このように、「気がつくこと」を手がかりにして作品を見ていくと、鑑賞が必ず深くなります。単に「子どもたちが描かれている絵」というだけではなく、「春の空気のなかで生き生きと遊んでいる子どもたち」というふうに、よりヴィヴィッドに絵の世界が感じられてきます。


ということは、「気がつくこと」が多ければ多いほど、鑑賞は深くなることが期待されます。次回は「気がつくこと」をより多くゲットするための方法について述べていきます。


その前に、この絵にはまだまだ「気がつくこと」がありますので、さらに絵をよく見てください。もしよかったら、あなたの気がついたことをメールでお送りください。


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(藤田)

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