昨日、山梨県北杜市小淵沢町にある小淵沢絵本美術館を訪問しました。といっても、とくに仕事とかいうわけではなく、1日時間が空いたのでフラッと訪れたのでした。
山梨から長野にかけては絵本をテーマにしたミュージアムが多く、それぞれ個性を放っていますが、こちらも大人がしっかりと絵本の世界を楽しめるところです。ターシャ・テューダーや藤田三歩らが特集展示されていました。
なかでも私がハマったのが、スタシス・エイドリゲビチウスでした。リトアニアに生まれ、ポーランドで育った人で、その作品からは東欧独特の息吹が伝わってきます。鼻がピノキオみたいに長く、真ん丸な眼をした人物は、どこか悲しみをたたえているようでいながら、同時に温かいものも感じさせる不思議な印象。色味も暗色系なのですが、見ていると穏やかに心落ち着くものをもたらします。日本人の感覚ではちょっと描けない絵だなと思いました。
望月館長がいらっしゃり、しばらく、というか、かなり長時間お話しさせていただきました(貴重な時間を取らせてしまい、すいませんでした)。スタシスは単に絵本画家というだけではなく総合的な創作活動をしているそうです。
館長はもうすぐ73歳におなりになるとのこと。ですが、その気持ちの熱いこと! 「老人」(失礼!)とはまったく思えない瑞々しさをお持ちなのです。長年、ちょっと引っ込んだ場所にある美術館を営んでいたら倦んでくるものがあっても不思議ではありませんが、望月館長はそんなものとは無縁。それどころか、73歳にして「これからは外へ打って出ようかと思っています」とおっしゃり、新たにつくられた名刺を披露してくださったぐらいで、バイタリティには脱帽です。
JR小淵沢駅から車で5分ほどとアクセスも便利です。近くへ行かれたら、ぜひお立ち寄りになってはいかがでしょうか。(F)
Comments